読書の日々

最近、急に読書熱に火がついて、暇さえあれば本を読んでいる。
何年かおきに起きるこの現象ではあるが、ここ5年くらいは偏った読書だったし、量もめっきり落ちていたので、久しぶりに充実感を味わっている。
新刊本を読むことも多く、最近はもっぱら図書館を利用している。
近くの図書館は、蔵書も多いが人も多く、狭くて明るいせいか落ち着かない。
なのでもっぱら読みたい本を予約したり、好きな雑誌を読むときに利用する。
隣町の図書館は、広く静かで、ちょっと暗くて、いかにも図書館風の威厳がある。
蔵書も多く、探す楽しみに溢れているのだが、いかんせん遠い。
家から15分ほど車を走らせると、第3の図書館に着く。
最近のお気に入りがここで、まだ新しく、清潔で人も少なく居心地がいい。
そして何より、予約待ちをするような人気作家の本や新刊本があるので、とってもお得感がある。
返却日にまた次の本を借りるという2週間ローテーションで、さくさくと読書が進む。
最初にすぐ新刊本の棚をみて、好きな作家の棚を巡り、最後に1周ぐるりと廻る。
図書館に行く時は、目当てを決めない。
そのほうが見つけた時の喜びが大きい。
目に留まる本が放つ予感をキャッチする、選ばれた本との個人的関係が心地よい

一度火がついた読書熱は、私を度々書店へ誘う。
隣町に好きな書店がある。
そんなに大型ではないが、コーナーごとに工夫がなされて、ポップやディスプレイにも力を注いでいる。
以前から本好きな書店員さんの心意気が感じられる店だった。
関東に住む友だちが愛読しているブログを書いているのが、最近転勤で移動してきた書店員さん(店長さん?)で、それを聞きつけ楽しみに訪れると、さっそく新しい色が出ていた。
なんでもツイッターで手書きのポップを呼び掛けたところ、何人かの作家さんがそれを快く受けてくれて、「作家直筆POPフェア」なる豪華なコーナーが出現!
教えてくれた友だちが地団太踏むだろうな、とわくわくニタニタしながら一通り楽しむ。
イラスト付きのかわいいPOPや、作家の作品への思いが伝わる力強いPOP。
いろんな個性が、売りたいというより、届けたいと伝わる。
特に引き寄せられたのは、まだ読んだことのない作家、道尾秀介のPOP。

「言葉ほど手軽に持ち歩いて
どこでも楽しめるものなんて
   きっと他にないですね」 by 道尾秀介

丁寧な墨字で簡潔に書かれた作者の思いを受け止めるような気持ちで、その本を手に取る。
帯の文章も完璧で、買いたい衝動に駆られるが、増え続ける新刊本に失敗は許されない。
初めての作家を買うときは、大いなる躊躇と少しの期待が入り混じった手が棚と胸を後先(あとさき)する。
最初のページをめくり、すっと物語に入ると不思議な気持ちになる。
その本が読んで欲しいと望むよりも強く、自分の中から渇望している何かが騒ぎ出す。
隣には、なんと1冊だけ残った丁寧にビニールを纏ったサイン本が置いてあった。
1冊しかないと、これはもう一刻も早く買わないと、買って得する気持より、買わないと損をするくらいの勢いに変わる。
レジに行き、一刻も早く読みたい衝動に駆られ、次の予定の待ち時間までに貪るように読んだ。
結局、半分読んで、帰宅してから残りを読んで、次の日あらためてゆっくり読むという、久しぶりに熱い読書をした。
今、図書館で借りた道尾秀介の「鬼の跫音」「ラットマン」が次の出番を待っている状態。
こういう出会いがあるから、図書館通いや書店探索は止められない。
ただ、夜もついつい読みたくなるので最近少々寝不足気味だ。