泣きどころ

GWになると、「安近短」という新語が頭をよぎる。
せっかくのまとまった休みなのに、どこへ行っても人が多い。
平日に旅行することに慣れてしまったわれらにとっては、あの群衆の中に飛び込むことはかなりの覚悟がいる(ちょっと大袈裟)。
それでも、4日余りの休みを家でダラダラするのもなんだか切ない。
1日くらいは、みんなで近くへ花見に出かけるのがこの何年かの恒例。
少々混んでも「安近短」だったら疲労もそうないし、行ったという思い出は確かに残る。
この時期に咲く花を目指して出かけ、花の中でほほ笑んでいる写真が毎年増えていくというわけだ。
世羅は、「安近短」の花好きにとっては恰好の場所で、四季折々の花が楽しめる。
この時期は、世羅高原農場でチューリップ、フラワーパークせらふじ園でぼたん桜、香山ラベンダーの丘でポピー、花夢の里ロクタンで芝桜、世羅ゆり園の百合、甲山しゃくなげ園のしゃくなげ、ラ・スカイファームの菊桃、どこへ行っても人と花で大賑わい。
毎年、安近短な花巡りをしていると、ほぼ行くところもなくなってしまう、という心配をよそに、世羅高原はつぎつぎ新しい場所も用意してくれる。

去年は、「芝桜」を見に行った。
50,000平方メートルのキャンバスに4色の芝桜で描かれた絵、なのだが・・・・。
パッチワークのような花たちは確かに可愛いと思うけど、観光用にお行儀よく植えられた芝桜は、なんだかあまりにも人工的すぎて、どのアングルを切り取っても、狭い空間へ憩いを求めて渋滞を堪えてやってきた私たちを含めた見物者との同化した風景ばかりで、むしろ物悲しい。
しかし、目を細めて見上げる空は真っ青で、そこだけが限りない。
空だったらどこでも見られるはずなのに、わざわざこういう場所で見る空に妙に感動してしまうなんて、やっぱりちょっと切ないなぁ。
そんな感じで、一か所に絞って出かけると、時には肩すかしをくうこともある。
でも、まぁGWだから。
どこへ行っても人がいっぱいだから、お年寄り同伴の私たちにとってはランチタイムを少し豪華にして、「美味しかったね」の思い出を加える。
そういえば、去年の蕎麦屋さんも混んでいたっけ。
しかも、決して豪華ではない蕎麦定食を並んで食べたっけ。
でも、値段の割には美味しくて品数も多くて、私は結構満足したのだけど、お年寄りには不評だったなぁ。

安近短な過ごし方をする私たちにとって、ここは住みやすい処だと思う。
たとえば、近すぎても旅行気分にならず、連休はどこへも行かなかったという思いがしそうだけど、世羅だったらちょうどいい。
帰りには大好きな道の駅が2か所もあり、そこで何となく物足りなかった気持ちをいくつかのお得感で修復する。
道の駅は、安近短民族のための最後に辿り着くオアシスだ!(再び大袈裟)
そういう憩いを求めて集まる人たちと共に、私たちの安近短なGWが今年も過ぎていく。