学びの秋の日―其の弐

第4講座 中村文昭(クロフネカンパニー代表取締役)
演題 「人のご縁で、でっかく生きろ!」


伊勢の「リビングカフェ クロフネ」ブライダル店舗をプロデュース。年間300本以上の講演活動で全国を飛び回る。2006年より、北海道の大地で「ひきこもり・ニート」と呼ばれる若者を集め、農業『耕せ にっぽん活動』をスタート。人の心に火をつけ、やる気にさせる。講演は沢山の追っかけがいる程。人間力を高めるいいお話が必ず聞ける。
↑これが、氏のプロフィールに書いてあったもの。
中村氏の名前を実は1年前に知っていた。
おまけに、講演会のCDを2枚も大事に抱えこんでいた。
講演を聞いてものすごく感動した友だちが、わざわざ送ってくれたものだ。
すぐにそれを聴かなかったことが私にとって損か得かということも今となったらわからないが、「中村文昭」という名前を聞いたとたんに、その記憶が蘇り、驚きと期待と軽い後悔が湧きあがってきた。
今日は一言一句逃すまい。


 

 

 

 

18歳、高校卒業と共に何の目的もないまま、写真家を目指す兄の後ろ姿を追いかけて上京。
父から送られてきた自転車で散歩していた時にブレーキの故障で防衛省に突っ込んだことが全ての始まりとなる。
軽快なテンポで、数々の武勇伝が語られる。
そして、焼き鳥屋で偶然居合わせた、生涯の師匠となる人との運命の出会い。
その人の名は「田端俊久」。
その時彼も、若干26歳の移動八百屋をする若者だった。
90分の講演はあっという間に過ぎ、その講演の中で終始熱く語られたのが、この田端氏との数々のエピソードで、田端氏の言葉を素直に受け止め、実行することによって中村氏の人生は劇的に変化し、今に至っている。
彼の口からは「成功」とか「勝ち組」などという言葉は一切出てこない。
それが、本当に新鮮に胸に響いた。
田端氏の教えは
「何のためにしているかを常に考える」
「人間力を身につける」
ということで、そのために守るべき法則が四つある。
「返事は0.2秒でする」
「出来ない理由は言わない」
「今出来ることを探してする」
「頼まれ事は試され事」

最後の「頼まれ事は試され事」というのは、奥が深く、先の三つの集大成とも言える。
他人は、自分が「出来ないことは頼まない」という信念に基づき、試されていると思って、その課題に全力で取り組むことが、縁ある人との関係の礎となる。
ただただ頷きながら聞き入った。
「わかってるんだよねー ただ出来ないんだよねー」という、理由なき出来ないという感覚も、今日は不思議と湧いてこない。
それほどのパワーがこの中村氏の言葉にはあった。
中村氏が、こうして年間300本あまりの講演をこなすようになったのも、依頼者からの一言。
「最初は、自分の仕事が忙しいから断ったんですよ。そしたら相手が、『あれ?中村さんて頼まれたら断るんですか?』って言われて・・・・」
まさに依頼者の一本勝ちだ。
自分の好きな人(家族や友だちを含んだ)や仕事上必要な人に「YES」というのは出来そうではあるけど、利害関係のない人にそう言えるかどうかという、突っ込んだ話が聞けたらもっと良かったなと、迫りくる終了時間が恨めしかった。
講義を聴いてそんなことを思ったのは初めてだ。
その範囲であっても「はいっ」と0.2秒で返事をして、最善を尽くして実行することは至難の業ではあるけれど、そう出来たなら、その先にあるものは悪いものであるはずはないということだけは、容易に想像できる。
さあ、いざ実行あるのみ!!
と勇んで帰った帰路、ナビで示す行程が行きとは異なり、着いていった車とも逸れて、一番近しい「NO」と言えないはずの人とは、険悪な空気が漂った。
ああ これが人間。
弱い今の自分の姿なのだ・・・と、そう即効で反省出来たのも、この講習会の御蔭かな。