沖縄いいとこ紀行

「ねえねえ、あの屋根の上の人、なにしてるんだろうね? 二人で空見ながら話してるでしょ? あれが沖縄の人さー。意味もなく屋根の上で楽しそうにしてるさー」
そう目を細めて説明してくれるのは、沖縄入りで初めて話した沖縄県民、第一沖縄人の又吉(またよし)運転手さん。
空港からホテルまで偶然乗り合わせたタクシーの運転手さん、又吉さんのおかげで、2日間、私たちは楽しい沖縄観光と、沖縄の文化や歴史、もっと身近な生活、沖縄県民気質に触れることになる。
方言も交えて話してくれる又吉さんの話は、内容もさることながら、意味がわからなくても、イントネーションやリズムだけで耳に心地よく、楽しい気分にしてくれる。

初日は、首里城〜識名園を回ったところで、地元の人で賑わう沖縄そばのお店で昼食をとり、遠いので無理だと諦めていた美ら海(ちゅらうみ)水族館へ連れて行ってくれた。
行きがけに、晴れている日にはきらきらと宝石のように光る海で有名な古宇利島(こうりじま)まで寄り道をしてもらった。
あいにくの曇りながら、古宇利橋の上から見る海は、エメラルドの淡い緑と青の二色のアンサンブル、その透明感に息を飲む。
気の遠くなるような遠くて真っ青な空、ぎらぎらと輝く太陽から降り注ぐ優しい光を想像し、この地に住む人がうらやましくなるが、沖縄の人にとってはあくまでも見慣れた景色で、ビーチはバーベキューで楽しむ場所なのだそうだ。
美ら海水族館へは、3時に行われるジンベイザメの餌付けに合わせて到着した。
お目当ての一番奥にある「黒潮の海」へまっしぐら!
すでに沢山の見物客でごった返していたが、「前へ出来るだけ詰めてください」というアナウンスに背中をどんどん押されて、右端の前から二番目に落ち着いた。
水槽の上から、サメの餌であるオキアミ(エビ)が捲かれると、サメがジョーズのように大きな口をあけて餌と水を一気にバキュームする。
そのあとで必要のない水分を体のいろんな場所から出している。
なんともダイナミックでユーモラスなその姿が見られるのも、美ら海の特典だ。
悠々としたマンタ、お馴染のマグロやハマチやアジなどおよそ70種類が広い水槽にそれぞれの秩序で泳いでいる。
隣接するカフェではこの巨大な水槽を見ながらお茶や軽食を味わえる、パラダイスのような水族館だった。(後日、2回目の見学をし、全てゆっくりと体験する)
イルカショーも見て、帰りは日本で一番早い桜祭りがおこなわれるスポットに寄り道をして、その中でも気の早い桜の木の下で記念写真を撮ってもらった。
沖縄の家には松の木がわりに沢山の家でブーゲンビリアが見られた。
門柱や屋根瓦には様々の形、大きさのシーサーがあり、古い家はさすがに戦火で焼失して少なくなってしまっているが、新しさの中にも沖縄の伝統が感じられる。
中でもすごかったのは道路からでもあちこちで見られた沖縄独特のお墓だ。
自然を崇拝し先祖を敬う沖縄の人たちにとって、墓は欠かせない重要なもののひとつで、沖縄では小さいものが、本土の大きいものと同じくらいあり、広いものは一部屋十分ある。
これが離島となると先祖代々受け継がれる広大な墓所が当たり前らしい。
夜は、三日間賑やかな国際通りを堪能した。
沖縄独特の野菜、果物、琉球ガラス、どこを覗いても楽しい。
市場には、カラフルな魚や豚の顔が並んでいて、だいたいのんびりした沖縄の人たちの中にあって、この場所の活気だけはテンションが違う気がした。
それでも、あの口調で言われたら、「あー いいねぇ」とのんびり返してしまい、財布のひもも緩みがちになる。
二日目は、ニライカナイ橋を渡ってグラスボード体験をした。
熱帯魚が普通に泳いでいる海を船の上で見るだけでも楽しい。
スキューバーダイビングを一度経験すると病みつきになると、沖縄観光の先輩の話に合点が行く。
沖縄ワールドで玉泉洞(ぎょくせんどう)という鍾乳洞も時間の関係でダッシュ見学。
最後に「ひめゆりの塔」にお参りをした。
平和祈念資料館では十分な時間をとって見て回った。
ここに来るまではほとんど感じなかった沖縄で行われた戦争と、いまだ基地の町であるという事実を、初めて身近に感じられる場所でもある。
しかし、一歩外に出るとここでも土産物屋さんが軒を連ね、名物を売る元気な声がする。
観光客の我々にとっては、沖縄本島は、1207?のパラダイスだ。
49の有人島やもっとたくさんの無人島を含めるとその2倍の面積を持つ巨大なパラダイス。
嘉手納基地は空港からの高速の上から通り過ぎただけの観光客にとって、冬の沖縄は居心地のいい、のんびりとしたシャングリラに他ならない。
本土だけでも多くの城跡(グスク)や観光スポットがあり、離島を含めると、一度観光して病みつきになり、果てには移住してしまう人が多いのも頷ける。

うむさたんうちなー旅行!
まのみぐさぁ〜ちゅーさね!
(楽しかった沖縄旅行! また来るね!)