食事会とお茶会

土曜の夜は、町内組内女性部の年に一度の食事会だった。
この歴史は古く、20年近く続いている。
毎月400円の積立をして、年廻りの女性部役員が世話係となり、食事をしながらおしゃべりをして懇親を図るというものだ。
過去には、ボーリング大会や焼き肉パーティをしたこともあったが、ここ数年は決まった食事処でのお昼の会食が続いていた。
今年は、私が世話係だったので、会議の時に「久しぶりに全員参加できるように公民館でやりましょう!」と声を上げるとみんな賛同してくれて、回覧版で皆の都合のいい日のアンケートを取り、飲み物のリクエストを取ったりして、17人全員参加の夕食会開催にこぎつけた。
こちらから頼まなくても、協力の声を掛けてくれて、1時間前には何人かに準備を手伝ってもらう。
サラダやお菓子やお茶の差し入れもあり、ちょっと豪華な仕出し弁当とつまみに鳥のから揚げと枝豆やサラダを並べて、乾杯と共に楽しい宴会が始まった。
うちの組はみんな仲良しで、まとまりがあるのが自慢だ。
こうして役をすると改めてそれを実感する。
気の利かない事も多々あると思うのに、皆の口から出るのは「大変だったでしょう」「ありがとね」「美味しいね」「楽しかったよ」という労いと感謝の言葉。
もちろん、片付けも最後まで残っておしゃべりしていた10人が皆でやってくれた。
特別なことをするわけではないけど、飲んで食べて話して、大声で笑ってというひと時を楽しく過ごす。
去年は確か、「好きな芸能人を一人ずつ言いましょう」という提案に、みんな誠実に、はにかみながら答えてくれた。
東方神起・嵐・コブクロ等、「えーそうなんだ!」と意外な答えに話が弾んだ。
今年は「この一年で印象に残った出来事(楽しかったこと)」のお題で話してもらおうと思ったが、これはちょっと不発で、私の沖縄話とGOPAN話でいい時間になってしまった。
まあ、だいぶウケていたのでいいとしよう。
そして、GOPANでお茶会の約束をして、3時間半の楽しい会をお開きにした。
次の日は、初めてのお茶会に母と参加した。
抹茶は飲んだことはあるが、私は正式な作法もわからない。
見よう見まねでお茶碗をくるくるっと回してごくごく、ずるずるって飲めばいいんだくらいの軽い気持ちで出かけた。
9時半から15時までに薄茶2席、濃茶1席、点心の席を適当に回っていただく。
10時に会場に着くと、もうすでに大勢のちょっとドレスアップした女性で賑わっていた。
初めてなので、待っている人や係の人に聞きながら、受付をして整理札をもらい、あとはひたすら待つことになった。
待つこと1時間最初は表千家の薄茶の席。
靴を脱いで皆の後をついて部屋に入り、端っこの椅子席に着く。
お菓子の盆が回ってきて、母が出してくれた懐紙(かえし)に3種類の干菓子を取って隣に回す。
何故か、主賓席に人がいなかったため、端っこの母が主賓、私が2席目を頂くことになり、皆の視線を浴びることになってしまう。
「しまった!」と思っても、時すでに遅し、母の所作をじーと横目で確認しながら、同じように続く。
最後に黒織部のお茶碗を眺めるのを忘れてしまったけど。
何とか無事に終えて、次の濃茶の席へ。
速水流という母も知らない作法で、持ってきてくれた人が「お二人でどうぞ」と言った意味がわからず、「うゎ、苦いなー濃いなー量が多いなー」と思いながら、前列の人の飲み方を見て、お茶碗の下に付いてきた布を敷いてごくごくと頂く。
もう無理・・・とお茶碗を置いたところで周りを見ると、あれ? これってお母さんと一緒に飲むんだったと気がつく。
底に飲み残しのような抹茶がへばり付いていた。
「お、おかあさん、ほとんど飲んじゃったけど、これ飲んで」「ああ,ええよ、こんなに濃いのなんてどうせちょっとしか飲めないし」こんな会話が二人の間でひっそりと交わされた。
ああ、よかった隣がお母さんで・・・。
初めてのお茶会は、ハプニングだらけで、前日の雰囲気とは対極の緊張した場で、やっぱり私は、こっちじゃないな、とあらためて思った。
それでも、経験はたぶん、いつかどこかで役に立つだろうし、少なくとも失敗は笑い話のネタになる。
来年の食事会はこのネタに尾ひれをつけて皆を笑わすことにしよう。