春は芸術から・・・

バレエ(英語:ballet)は、西ヨーロッパで発生し広まった、歌詞・台詞を伴わない舞台舞踊。及びその作品を構成する個々のダンス。音楽伴奏・舞台芸術を伴いダンスによって表現する舞台で、もとはオペラの一部として発達した。そのため物語性をもち、複数の幕をもつ舞踊劇が多い(「くるみ割り人形」「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「ドン・キホーテ」など)。しかし20世紀以降には物語性を否定する作品も生まれた。一方で短い小品でありながら優れた物語性をもつものもある(「瀕死の白鳥」など)。事前に振付家によってバレエ独特の所作を指定されたものを演じ、即興作品は少ない。振付の仕方を振付術(コレオグラフィー)という。(ウィキペディアより)

小さい頃お嬢様でも、レースのドレスのお姫様に憧れる夢見がちな少女でもなかった私は、今までバレエというものに縁がなかった。
バレーではなくバレエと表記することですら、初めて知った。
4月1日、友だちのお誘いで「2012.Mayumi Fujita Ballet」という藤田バレエスクールの発表会を観に行った。
場所は、三原で一番大きなホール「ポポロ」。
「一人でも観客は多いほうがいいに違いない! 」と思ったのと、友だちの娘さんがゲストで踊るということへの興味もあり、「行ってみよう」と軽い気持ちで(軽装で)出かけた。
ところが、会場へ入ってびっくり!
まず、こころばかりの差し入れのお菓子をどうしようかと思っていたのだけど、そんな心配はどこ吹く風、エントランスを入るとすぐに、差し入れの受付があり、カードに名前を記入して託すことができた。
横のテーブルにはすでに花束や花籠、紙袋が所せましと並べてある。
「こういうものなのね・・・」初めてのことなので、軽いカルチャーショックを受ける。
会場に足を踏み入れるともう沢山の人であふれかえっていて、比較的前の端っこに空席を発見し、とりあえずそこに座ることにした。
3時半の開演から、3部構成で2時間半ほど、時間はあっと言う間に過ぎた。
発表会ということで、ピアノの発表会のようなものを想像していたが(それすら見たことはなかったのだけど)想像とは大違いで、そこは嬉しい誤算というのだろうか、バレエは素晴らしいものだった。
オープニング、暗転の会場から、急に明るくなり、キラキラした可愛い天使のようなバレリーナたちが嬉々と踊る。
中には背筋のピンとした男の子もいる。
「ビアンコ」「くるみ割り人形」バックの音楽は聴いたことのある曲ばかりで、耳に優しく、小さな子どもが懸命に踊る姿は、微笑ましく、ただそれだけではなく、シンクロする動き、軟らかなスロープを描く手と足の美しさ、未完成の子どもであっても、その世界はただものではなかった。
1部の終わりから、本格的なバレリーナによる「白鳥の湖」の優雅なバレエが踊られた。
10分の休憩をはさんで、2部、3部と、続く。
2部からは、上級と先生とゲストダンサーによる洗練された、バレエ演目となる。
バレエが総合芸術と言われる所以が腑に落ちた。
荘厳なクラッシックの名曲に乗って、美しい衣装を纏った天使たちが優雅な動きによる踊りの要素に加え、無駄のない軟らかな筋肉の動きまでわかる人間の肉体としての美しさを魅せてくれる。
その3つの要素が三位一体となって、観客を夢の世界に誘う。
自分では作りえない世界が、その空間に確かにある。
それは時空や場所や、沢山のものを超えて、まさに届けくれた贈り物。
それは思いのほか気持ちのいいものだった。
クライマックスは第3部の「ロミオとジュリエット」と「ボレロ」。
特に、「ボレロ」のシンプルな静かな動きの中に、人間そのものの美しさ、荘厳さを感じて鳥肌が立った。
日本では、なかなかメジャーになれないバレエなのだが、これは娯楽ではなくて、芸術なのだ、と思うと、それも仕方ないのかもしれない。
でも、これは決して消えることのない、人間が作り出す芸術そのものに違いないと、初めて見たわりには、いっぱしの評論家のように気持ちが昂揚して、沢山の言葉が溢れだしてきた。
ポポロの横にある公園の桜もまだ開花を迎えてはいなかったが、中では可憐な桜が満開だった。