剣山〜星と花の贅沢登山〜その1

星座(せいざ、羅: constellatio)は、複数の恒星が天球上に占める見かけの配置を、その特徴から連想したさまざまな事物の名前で呼んだものである。
古来さまざまな地域・文化や時代に応じていろいろなグループ化の方法や星座名が用いられた。

私は夜空の星を夢見がちに眺めるロマンチストではなかったし、西洋占星術の12星座さえもすべて言えない星座素人だ。
まして、肉眼で観察できる星座が88個あるなんてことも全く知らなかった。
そんな私が、この夏、四国・徳島の剣山頂上ヒュッテで行われた星の観察会を体験した。
8月11日(土曜日)、前日より日本列島は大荒れの予報で、四国は雷雨注意報が発令されていて、特に山への行楽は控えるようにとTVでは言っていたらしい。
朝6時に自宅を出発して、瀬戸大橋経由で見ノ越登山口に到着したのは10時少し前。
名物(?)の祖谷蕎麦で腹ごしらえをし、大剣神社で参拝して、リフトを横目に霧雨の中登山を開始。
剣山は登山を始めてからすぐに山の会で来たことがあった。
季節は秋、ナナカマドの紅葉が美しく、まだ瀬戸大橋がなかった当時は三原の港から朝一のフェリーで2時間余りかけて今治に渡り、そこから車を走らせずいぶんと時間がかかった記憶がある。
その時はリフトで半分まで上がり、ハイキング気分で頂上に着き、下りはサバイバルロードで、下りの怖さ面白さを体験した登山だった記憶が蘇る。
さて、本日の登山。ザックカバーとスパッツだけの雨予防も、嬉しい予報外れで、それでさえも徐々にうっとうしくなるくらい天気はゴールに近づくにつれ回復してきた。
海抜1500メートルからの山歩きは、まだ大きな木々に囲まれて森林浴気分、久しぶりの登山で、しんどさもあるが、なにしろ距離が短いという情報がインプットされているので、上機嫌でリフトの終着駅西島へ1時間で到着。
ここから一般のハイカーと共に頂上ヒュッテを目指すのだが、雨予報のせいかずいぶん少ない。
頂上までは3ルート、私たちは紫のクガイソウの群生に惹かれて刀掛の松コースを通り、頂上ヒュッテ雲海荘に50分ほどで到着。
神社で祝詞をあげて頂き、宿泊手続きを済ませ荷物を部屋に置いて、笹原の保護のために木道で整備されていて、サンダル履きでも行ける頂上三角点へ。
4時から一番風呂を頂き、6時に夕食、食堂で星観察の説明の後、再び外に出て夏の星空を見上げる。
剣山の星を見続けている二人の講師の先生曰く、「今日は絶対に見えないと思って、いい望遠鏡を持って来ませんでした。友人もキャンセルしました。今いる人たちはよっぽど行いのいい人だと確信しています」

はい、私もそう思います(確かな思いは叶う方程式)
先生が、まだ少し明るさを残した空に緑色のレーザービームで、星を指し説明してくれる。
まず、有名な北斗七星。
おおぐま座の下の位置から見える7つの明るい恒星で、北極星の道標にもなる。
「かに座の人いますかー?」「てんびん座の人見えますよー」と、次々と12星座の中で、今見える星座を、ビームが指すたびに歓声があがる。
まだそんなに真っ暗ではないのに、見上げた先は満天の星だ。
「あ! 流れた!」そんな声があっちこっちで聞こえる。
今まで流れ星を見逃してきた私にとって、今日は絶好のチャンス。
年間三大流星群の一つである、ペルセウス座流星群が見える日でもある。
何しろ、「流れた!」「見えた!」「あ!」という声が聞こえた時はもう遅い。
流れ星は、F1カーの様なスピードで通過するのだから、瞬きもできない。
立って見ているのは首が疲れるので、ほとんどの人が木道の突端にある展望台の広いスペースに横になって空に向かっている。
「あ! 流れた!」ひときわ大きな歓声が同時に起こる。
私も、思わず発した流れ星を喜ぶ声。
やっと見えた流れ星は、青白い放射線を残し、右から左下に向かって流れて消えた。
(次回につづく)。