エコツアーその2 究極のエコライフ

時々、便利だと思うものがなんもない生活を空想することがある。
服も四季を通じて、半袖5枚、長袖4枚、パーカー2枚、上着1枚。
必要最低限のものをザックに詰めて、大好きな本を1冊だけ持って、CDは我慢することにして、聴きたいと思ったら自分で歌う。
小さな畑に野菜やハーブを植える。
稲作は難しいかな、でもまあやってみる。
失敗したら、芋でも食べるか。
そしたら、何のために生きているのか、何が大切なのか、今、こうして恵まれた贅沢な暮しの中ではわからないことが少しだけわかるような気がする。
私が空想するだけの暮らしを実際に楽しみながら送っている人たちがいる。
友だちの薦めで参加した約7時間のエコツアーに、私の心は踊りっぱなしだった。
最初に訪ねたのは、三原の桜山で養豚をしているSさんのお宅と養豚場。
電気は最小限、日々の暮らしに必要な熱量は、沢山の工夫を用いた資源の活用。
食事の支度は、モミガラを利用したロケットストーブでする。
お風呂は、家族が仲良く薪を使った五右衛門風呂で一斉に入る。
車も燃料は廃油で、思考錯誤、改良を重ねた貫禄のワゴン車は、どこへでも出かけられる。
豚と鶏が一緒に住んでいる小屋があり、仲良く共生している。
山の斜面に放牧している豚さんたちの大きく逞しいこと!
その自然の中で生れた愛らしい子豚の小屋は清潔で、独特の臭いもない。
いろいろな種類の菌を駆使して行っている、新しいスタイルの養豚だそうだ。
「すごい!すごい!」参加者全員、聴く話、観るものすべてに感心し、好奇心いっぱいで時間ぎりぎりまでたくさんの質問が飛ぶ。
次の世良町小谷地区(おだに)もエコライフを楽しんでいる人たちの多い、素晴らしい場所だった。
2003年に安佐動物公園から絶滅危惧種になっていたダルマガエルを放流し、2008年に国内初の自然繁殖が確認された。
ここではダルマガエルが生息出来るような水田があり、カエルを守ることが、そのままこの地区の自然を守ることに繋がっている。
モミガライトという、モミガラから作る固形燃料の工場を見学し、小谷たえ(田んぼの方言)クラブの人たちの愛情のこもった昼食をいただいた。
ぴかぴか光ったダルマガエル米のおにぎり、甘い旬の野菜(大根・芋・椎茸など)出来たての蒟蒻、きのこや野菜のたっぷり入った味噌汁。
スタッフの紹介で、根っからの地元っ子より、外からの移住者や、活動に賛同してイベントの度にお手伝いに来てくれる人たちが多いことにまたびっくり!
大好きな自然と触れ合いたい、その自然を守りたいという笑顔の人たちばかりだ。
3か所目は、府中市のIさん宅に、センスのあるエコライフを見学。
ハーブや山野草に囲まれた手作りの素敵な家。
仕事道具もまるでインテリアの一部のようにお行儀よく並べられている。
トイレの工夫も半端じゃなく、水と個体に分離することで、臭いを消し、全て肥料に再生する。
本日はお客様仕様で、紅葉の絨毯が敷き詰められていた。
ストーブの熱を泥土で作った椅子に届けて、その上に布を敷いている暖か長椅子、昔の階段箪笥を思わせるような手作りの収納階段、観るものすべてに、遊び心とエコ心が手を繋いでスキップしているような暮らしがあった。
「1日じゃ足りないね、せめて@泊して回りたいね」一日の感想を言う誰かの一言に皆が大きく頷く。
たくさんの工夫に、関心を持ち、感心して、自分に出来る地球環境のために一つでも何かをしよう!
そうあらためて思えた貴重な体験だった。 
こんなツアーを子どもたちが、社会科見学で体験すればいいのになぁ・・・