ある日の出来事

今日は月曜日、新しい週の始まりだ。
同居の母が怪我をしてベットの上で過ごすようになって1週間が過ぎた。
そのうえ私が風邪を移してしまい、前日から咳が止まらず、今日は近所の病院に往診をお願いすることにした。
保険証を確認すると、去年までの古いものしかなく、新しいのは見当たらない。
どうも間違えて新しいほうを処分してしまったようだ。
病院に行く前に、市役所に再交付の手続きに行った。
受付で紛失届を出して、身分証明として老人保険証を見せていとも簡単に再交付してもらう。
その足で病院に行き、順番を待って状態を先生に話し午後からの往診をお願いした。
家に戻ると電話が何度も鳴ったと母が不安そうに言う。
しばらくして市役所から電話で
「老人保険証をお返しするのを忘れました。申し訳ありませんが、お近くにおいでの時に取りに来てくださいますか?」
言葉は丁寧ではあるが、最初にそう言われるとなんだかカチンとくる。
「こちらから、お送りすることもできますが・・・・」
「あ、それではお願いします」
思わす、最初からそう言ってくれればいいのに・・・と思ってしまった。
まず相手に委ねるのではなく、自分の出来ることを先に言う。
まして、保険証を返し忘れたのは向こうのミスだ。
それに、すぐ気がつかなかったのもミスと言えばミスだけど。

午後になって先生が往診に来てくれた。
血液検査のための採血をしたり、聴診器を当てたり、久しぶりにこういう光景を見る。
弱っている時に接する優しいお医者さんは神々しさえ見える。
普段元気で、インフルエンザの予防注射しか病院に行ったことのない母なので、診察も緊張気味だ。
「検査の結果で薬を出しますから、3時過ぎに取りに来てください」
診察が済むと看護師さんからそう言われる。
当たり前のことだけど、薬ひとつ貰うにしても手続きが大変なんだなぁ・・・とつくづく思う。
私は車を運転するし、専業主婦なので時間もある。
そうじゃない環境の人にとって、手間のかかることがなんて多いのだろう。
3時になって病院に行って会計を済ませ、処方箋を貰い隣の薬局に行く。
ひとつ足りない薬があり、また1時間後に取りに行くことになる。
済まなそうに説明する薬剤師さん。
それでも、こちらから「それでは届けてください」とは頼めない。
再び1時間後に取りに行くことになる。

そういえば、3日前にも整形外科にかかった時も、似たようなことがあった。
ちょっとしたことでも、その食い違いが連鎖のように続くと、「今日はついてないなぁ」としょげてしまう。
日常が少し変わると、その変化に自分自身が一番対応出来ないのかもしれない。
その自分でも気が付いていないイライラした気持ちが、自分の意図が相手に伝わらないだけなのかもしれない。
全ては自分から出ていること・・・・。

ついてないことが何度か続いてはいたが、近所の人に「手伝うことがあったらいつでも言ってね」とか、友だちから「何か、食べるものを差し入れようか」とか、優しい言葉ももらっている。
そして、何かあっても「あぁ、この程度で済んでよかった」と、相変わらずのプラス思考なので、病んでいる母には気の毒だけど、おかげでいろいろな経験をさせてもらっているのだと思う。

うちの家族は普段みんな元気で楽しくやっているせいか、誰か病んでしまうと途端に活気がなくなる。
それが日常にならないように、当たり前にならないように願いつつ、転んでもただでは起きないぞ! とこの日々を過ごそうと思う。