秋日記

9月○日(晴)
寒くて目が覚める。
時計を見るとまだ4時半だ。
足の出る短いタオルケットにエビのような格好で包まっていた。
トイレに行って、押入れの中から夏蒲団を引っ張り出して再び寝ることにする。
いかにゆーてもまだ外は暗い。
二度寝して目覚めると、なんだか得をした気持ちになる。
鳥も目覚めが遅くなり、秋の朝は静かに始まる。
午前中は名残のか細いツクツクボウシの声を聴きながら昨日畑で収穫した無花果(いちじく)でジャムをつくった。
大小様々な無花果をいつもどうり簡単に洗って皮をむく。
つまみ食いをしてみると今年は冷夏にもかかわらず9月に入っていい天気が続いたせいかずいぶん甘い。
なので、砂糖を減らすことにする。
くつくつとアクを丁寧に取りながら煮る。
ジャムはあっという間に出来た。
あとは煮沸した瓶に冷めたジャムを詰める。
今年のラベルは去年散歩しながら見つけた四つ葉のクローバーの押し花を貼り付けた。
あげる人の笑顔を浮かべながら洗濯物を干す。
見上げると、真っ青な空がいつもより高く感じる。
青さが日に日に深くなっていく。
野菜と無添加のパンやさんの美味しいバケットを届けてくれた友だちと、少し早いランチをできたての無花果ジャムで楽しむ。

午後からは、畑でさつま芋を何本か掘って、帰りに栗を拾う。
大きいものは渋皮煮にする予定。
さつま芋は、大好きなレモン煮と、たまにはシフォンケーキでも焼いてみようか。
あまりにもいいお天気なので回り道をして、秋桜でいっぱいの川沿いの道を歩く。
目印の三叉路に吾亦紅(われもこう)が今年もいっぱい咲いている。
一輪だけちょーだいね、と頂く。
これを備前の一輪ざしに指すのが秋の楽しみの一つになっている。

9月△日(雨)
雨の音で目が覚める。
時計を見るともう8時過ぎていた。
「よしっ、今日は映画の梯子だ!」
新米でおにぎりを沢山作って、準備完了。
1本目は、DVD化されたばかりの邦画。
おにぎりを食べながら2本目の見逃していた懐かしい名作洋画を観る。
このお気に入りのソファは何時間座っていても疲れない。
ここに住みついてしまってもいいけど、そろそろカバーを作らなくては・・・。
今年はためておいた古布でパッチワークカバーを頑張って作ってみようか!
運動がてら、はやめに夕食の準備に取り掛かる。
裏に作ってあった椎茸を、吹き降りがして濡れたら台無しだから小さいものも全部獲っておくことにする。
余った野菜がたくさんあったので、具だくさんのスープと椎茸たっぷりのラタトゥイユを作る。
後は、お腹がすくまで静かに届いたばかりの吉田の小説を読む。
今回は久しぶりの書き下ろし大作だ。
風が強くなって、雨が窓を叩く。
台風が近づいているらしい。
大事な植木鉢を安全地帯に避難させる。
この分だと明日も雨だから、ゆっくりこの本を読めるなぁ・・・と嬉しくなる。
雨上がりに草むしりをして、冬野菜をそろそろ植えておこうか、と次の段取りを頭に描く。

晴耕雨読。
これは、夢ではなくて、近い将来の私の暮らし。